「地域に展く緩和ケア」

 監修 原口勝  みどりの杜病院 院長

 

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 人生百年時代の到来は目出度いが、大事なのは長寿、長命の中身。 いかに命を紡かである。
 どんなに健康自慢の人でもいつかは人の助けが必要になる。 日本人の中にはホスピスに対して手の施しようのなくなった人が最後に送られる所という暗いイメージを先入観として持っている人が多い。この本を一読、目からうろこを落とした思いである。ホスピスの負のイメージが払拭された。
 福岡県南八女市、高齢化が進み限界集落も増え、消滅自治体入りさえ予測される小さな町で、がん患者に対する先進的な緩和ケア対策に取り組む、みどりの杜病院10年の歩みである。
医師、スタッフが力を合わせて患者個々の尊厳を大切にしつつ命の灯を完全燃焼させるために戦ってきた貴重な実践録となっている。
 避けようのない人生のエンディングにどう向き合えばいいのか、その心構えを学習する手がかりとなるものである。

 

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