暮らしと方言の色揚げ内山一兄・郷田敏男 |
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その外、季節にちなんだ花・野菜・なり果物を並べます。
瓜・胡瓜・とうきび・ぼ−ぶら・茄子・長ささぎ(長さや豆)などの野菜を供えるのです。
ききょう・撫子・ふうずき(ほおづき)・蒲の穂などの
野趣豊かな夏の草花・それに早ちぎり(もぐ)ができる
小粒の七夕柿や珍しい蓮の実まで求めて供げます。
膳の上には手づくりの団子に贈られた餅や饅頭まで並べて足の踏み場もないほどです。
生まれてはじめて迎える七夕、
小学校にあがっての最初の七夕を「初七夕」と呼び、
縁者から西瓜や餅などが贈られます。
その日の夕方、割った西瓜と餅を近辺に配って回り喜びを頒ち合うのです。
七夕にまつわる俗信も多いものです。
「前ン晩 水バ入レタタレバ(たらい) 坪ニ出シトッテ
ソッデ 髪バ洗ウト 髪ノ美シュ−ナルテロデノヤ・・・」。
前日の晩、星を映したたらいの水で髪を洗ったり洗濯をすると、
よく垢が落ち運が向くとも言われたものです。
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