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暮らしと方言の色揚げ内山一兄・郷田敏男 |
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“村の鎮守の神様の 今日はめでたい御祭日。・・・”(文部省唱歌・村祭)、
昔懐かしの小学唱歌を思い出します。
人間百般の願いごとを叶えて下さる八百万の神様がいらっしゃいますが、
農山村の氏神様は武の神八幡宮・文の神天満宮が多いようです。
村の氏神様の祭りは春・夏・秋の三回催されます。
祭神はともあれ、村の鎮守の神様ともなれば一様に豊穣祈願や満作感謝など、
農耕の守護神に衣を替えるのです。
春祭りは陰暦の二、三月ごろで、その年の収穫の豊凶を占う行事でした。
今でも粥占いなどをする所もありますが、それがだんだん趣を変えて農作祈願の祭礼と変わってきました。
「春祭り」「小祭り」「願立て」などと呼ばれます。
夏祭りは通常「祇園さん」と言います。
水稲の手入れが一段落した束の間の農閑期、旧六月下旬に集中します。
干害・風水害・病虫害除けや、貴重な労働力を損う疫病退散の祈願祭です。
いよいよ五穀豊穣、豊年満作の収穫が無事に終わると、
その感謝の秋祭りか賑々しく繰り広げられるのです。
最もうれしく一番賑わう祭りでして、前記の歌詞もこの情景を謳ったものです。