暮らしと方言の色揚げ

内山一兄・郷田敏男

 
 
 
 
 
 
 

村祭り


対談慣れをしてきたウメさん・トメさんは、のっけから調子に乗ってきます。


「子供ン時ャ 一家内 祭リアルキスットガ 楽シミジャッタノヤー」

「ソータノ。オゴッツォデン コツケ銭貰ウデン 祇園 祭ンノ ヨドン時ダケジャッタケン」

「ソーコタ。バッテ 初手ン祭リ祇園ノ オゴッツォン

竹輪カマブコダン 今ハ 食ビュデツァ シマッセンバノ・・・」。


働きずくめの農村では、村祭りは収穫の感謝と喜び、

それに休養・娯楽・栄養補給と、三重奏的な大事であったのです。


「祭リノ付き物ガ サンキラ饅頭ト オ強飯 ソレ 魚鮨ジャッタタノ」

「ソーソー。ソレニ 中入ノ味出シ コッケタ コーチン(中国原産のニワトリ)ドン潰シテノヤ・・・」

「ソータイ。年ニ一遍ジャッタタノ。鶏ドン潰スタ・・・」。


こってり脂が乗った地鶏の肉は、硬いがとても旨いものです。

苦労をしていただけに、女の話題はすぐ御馳走に走ります。

 

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