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暮らしと方言の色揚げ内山一兄・郷田敏男 |
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先に精霊さんの項で盂蘭盆の一端には触れましたが、
素描だけに終わっていますので、
再び採り上げて補足をしておきます。
大昔の人は、太陽の位置によって時刻を知り、
月の満ち欠けによって日を繰っていたことにも、
すでに触れました。
陰暦といって太陽よりむしろ月のほうが日を操るのに簡便であったので、
暦は月がすべての規準になっていました。
従って朔(ついたち)と望(もち)とはその起点になり、
とりわけ重視され、この日にはいろいろの祭事が組まれたのです。
朔日の正月や八朔の祭典、望の日の盂蘭盆などはこの例なのです。
古来、三元すなわち上元・中元・下元には、
いずれも日ごろお世話になっている人に贈り物をする仕来りがありました。
今は、中元のみがその名残を止めています。
盆には親しい家に仏様参りをして、
中元として素麺の五把に手ぬぐいの一筋も贈るのが通例であったようです。
盆と言えば、盆綱引きの話を思い出します。