暮らしと方言の色揚げ

内山一兄・郷田敏男

 
 
 
 
 
 
 


昔は交通機関が発達していなかったし、地域が閉鎖的でもありました。

すでに触れましたように、

かつての農山村は自給体制でしたから商品の需要が乏しく、

従って流通機構が整わず、

わずかに商圏の中心街に専門店らしいのが散見されるに過ぎなかったのです。


「サー 初手ハ 村中ニ 店ハ アンマリ ナカッタモンナヤ」

「ソータイ。○○婆サンノ 一銭菓子屋 ソレニ 何デモ屋ンゴタル店ノ 一軒ジャッツロダイ」

「ソレ 酒・煙草バ売ラス店タイ」

「生臭気ハ 時々 売リコラス 塩物バ 買ウグレンコッデナイ」


今でこそどんな山林僻地でも日用品に不自由はしないのですが、

昔はこの中心街まで長めご(竹で編んだ、天秤棒でかつぐいれもの)をいない、

半日がかりで買い物に出ていたものです。

   

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