暮らしと方言の色揚げ

内山一兄・郷田敏男

 
 
 
 
 
 
 

やんぼっさん


元日から二、三日は、さすがに静かです。


吹く風は冷たく、時折急に暗くなるかと思うと

粉雪が舞うこともありました。


襟巻きを巻きつけ、

マントを羽織った初入り客(親類などへの年始客)が

風呂敷包みをさげて足早に通るくらいで、

閑散としていました。


朝食が、元日の惰性かやや遅いのです。


やっと朝食を終わって箱火鉢を囲んでいますと、

村の入り口で「ブー ブオー ブオー」とほら貝が響きます。


ほら貝を「ぶーわんげ」(ブーワン貝)と言います。


決まって正月の二、三日ごろに、

山法師さんがやってきたものです。

   

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