暮らしと方言の色揚げ

内山一兄・郷田敏男

 
 
 
 
 
 
 

社日つあん・庭祭り


 思い出します思い出す
 丸い団子石の社日つぁん
 春秋彼岸のあの頃に
 小盆に載せたぼた餅を
 捧げに参った社日つぁん


暑さ寒さも彼岸までの好季、三月下旬の彼岸かその前後に社日つぁんがやってきます。

「社日」は言うまでもなく「土の神」です。

従って、すでに触れた氏神の願立てと同じく、

彼岸に最も近い戊(土の兄)の日にこれを祭るのです。

彼岸の中日と社日が重なればなおよしとされました。


 社日には、すべての土いじり・鍬どり(鍬仕事)をやめます。

鍬取りなどをしていると、誤って社日を傷つけたり、

虫けら(虫類)などを殺すからだと言います。

冬眠中の虫けらにさえ気をつかっていたのです。


「社日ツァンチャ 丸カモンバ 好イートッテテロデ シャッチ ボタ餅バ作ッテ 供ギョーッタノヤ」

「ソータノ。ドダイ 社日ツァンナ 太トシテ丸カ川石ニ 注連縄バ掛ケテアッツロガ・・・」

「時ニャ 餡子餅テロン 塩ボタ餅モ 作リョッタタイ」

「ソーソー。塩ン方ガ アクドノーシテ ヨケイクルモンノヤ。バッテ モー久シュー食ベン」。

   

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