暮らしと方言の色揚げ

内山一兄・郷田敏男

 
 
 
 
 
 
 

春の七草


私たちが子供のころにはいつも何処かでよど(祭典)があり、

家庭でも季節にちなんだいろいろな行事があっていたものです。

年々歳々繰り返される年中行事には、

天神地祗への豊穣・厄除けの祈願・収穫の感謝・一家の無病息災の願いがこめられていました。


正月も松の内の七日間は、くつろぎもさることながら、

一家内への初入り・あるき(里帰り)の楽しみがありました。

親に連れられてあるきに行くと従兄弟たちがぞろぞろいます。

めったに口にしない御馳走ずくめで、子供は口加減を知らないものです。


「オマヤ キンナシ 食ヨルガ モーヤメトケ。腹ソコナウゾ」と。

そのくせ大人もブレーキが効かないようです。


「ヨン直ッチャ 食イ食イ」で、うずほず飲み食いしています。

満腹すると、炬燵に足を入れて横になります。


よくしたもので、腹の調子がそろそろ怪しくなる七日には、

七草粥と七草汁がやってくるのです。

    

   

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