暮らしと方言の色揚げ

内山一兄・郷田敏男

 
 
 
 
 
 
 

七夕さん2


七夕祭りは、

江戸時代にはすでに五節句の一つとして桃の節句・端午の節句とともに、

華やかな民間行事として脚光を浴びていました。

織女星(棚機姫・たなばたつめ)が牽牛星(いぬかい・彦星)と、

年に一回旧暦の七月七日の夜に逢瀬を楽しむ物語は桃色のベ−ルに包まれています。


長い真竹を切り出してきます。

五色の短冊に和歌や漢詩を認め、

千代紙で衣裳やひいな(ひな人形)を折って笹につるし、庭前に飾ります。

子供の習字・裁縫の上達を祈念する行事です。

祭りが終わるとこの竹を切って、

太い方を物干し竿に使い、

短冊などを付けた上の方は桃の木に結いつけるのです。

この日の竹は虫がつかぬし、

桃の木にきびって(結んで)おくとよく実と言われています。


「ココンニキジャ 坪デナシ 座敷ニ飾リョ−ッタタイ」

「ソ−ソ−。ソゲン太カッジャ ナカッタ。一升徳利 立ツグレン笹ジャッタ ナヤ」。


飾り付けがまた賑わったものです。

「奉七夕○○○」と大書した継ぎ紙の天地に飾り房をさげます。

余白には天の川の模様を切り抜いた金紙銀紙を貼ります。

この掛け軸を床の間にさげるのです。

前に大きい飯台を据えて、飾りつけた満艦飾の笹竹を一升徳利に立てます。

供え物がまた多いのです。西瓜と縞田が付き物です。

西瓜については、

「七夕さんな 棚から落てて きん打って 痛さこらえて 西瓜ひと切れ」

と言うユ−モラスな詞が言い継がれています。

   

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