暮らしと方言の色揚げ内山一兄・郷田敏男 |
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「今デクサ 放生会チューバッテ 初手ハ 灯籠チューテ 放生会テロンナ 言ワジャッタナヤ」
「ヨドニ参ルコツバ 灯籠ニ行コーイ チョーッタタイ。」
いろいろの資料から推察しますと、
「奉納千燈籠と飾り人形」とありますから、
最初は燈籠と人形を併せて奉納する
−趣向をこらした人形を飾る屋台ができる人形が操作で操れるようになる−
これが浄瑠璃に結びつくといった経過をたどっているらしいのです。
山野の果実が甘く熟し、稲穂もようやく実りはじめる初秋、
豊穣を感謝する秋祭りが各地で繰り広げられます。
この秋祭りの中でもとくに異彩を放つのが福島の八幡宮の「放生会」でしょう。
釘一本使わない組み立て式の華やかな舞台(屋台)、
囃子方の伴奏、棒や綱で横縦から巧みに操る人形の顔や手足の動き、
衣装の早変わりなど、すぐれたからくりの技法は見物です。
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