暮らしと方言の色揚げ

内山一兄・郷田敏男

 
 
 
 
 
 
 

正月どん


一陽来福、迎春、あらたま──新年をことほぐ言葉には喜びがこもるのです。


ですが、今のような

「明けましておめでとう」

といった気のきいた挨拶は聞かれませんでした。


「ヨカハリ ナリヤシタ。

フルトシャ ソーニャ オ世話ニナリヤシタガ

コトシモ ドーゾ 宜シュー・・・」。


そう、旧の正月は

一月下旬にずれることもあります。


梅の蕾がふくらみ、

ポカポカした日もあって、

そこはかとなく春の気配を感ずる

文字どおりの「よか春」であったのです。

 

←前項  

八女方言歳時記へ戻る

 

 



ページの上段へ PAGE UP