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暮らしと方言の色揚げ内山一兄・郷田敏男 |
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醤油をつけてカリカリかんだかび餅の思い出は、誰しも持っているものです。
本当の餅の味はこれに尽きます。
今でこそかびからペニシリンの源が採れるとか、
発癌性の菌があるとかいろいろ取り沙汰されますが、
昔は何と、かび餅−箱火鉢−これを囲んだ子供の輪−いさかい−ジャンケン−子供の笑顔
といった図式が浮かぶのです。
今の子供は、正月早々から個室に引き籠り、
ガムをかみかみI・Cを組み込んだファミコンを操りながら悦に入り、
ソフト・クリームをなめなめテレビのドタバタ劇にうつつをぬかすといった図式が通例のようです。
ちなみに、正月の餅の保存法には別に水餅があります。
まだひび割れがしないころに、水を張った瓶に漬け込んでおきます。
こうすれば、何か月もかびも付かず腐りもせずに保存ができます。
旧暦六月朔日の「厄散らし」の日まで取っておく家もあったのです。
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