暮らしと方言の色揚げ

内山一兄・郷田敏男

 
 
 
 
 
 
 

二月灸


灸の話のついでに、昔の民間療法の件を一くさり述べておきましょう。


五十肩ともなれば、伸べ膏薬の二、三枚も肩ぶしに貼ったものです。

頭痛がすれば、梅干しの汁をこめかみに貼ります。

手足のあかがり(あかぎれ)には、焼け火箸で練り膏薬を溶かして染み込ませます。

耳だれ(耳の病気)がでると、きじん草(虎耳草)の汁を耳に垂らし込みます。

かさや腫れ物には、わくど草(どくだみ)を焼いて付けます。

腹の具合が怪しいと、せんぶり・げんのしょうこを煎じて飲みます。

出血すれば、ふつ(よもぎ)の葉を揉んで押え、蒲の穂をつけるのです。

数え上げれば切りがありません。

ですが、今は薬草は姿を消し伝承は絶えてしまったようです。


「ソリバッテサイ 私ャ今デン ○○地蔵サンニ メーッ時ャアータ

シャッチ センブリバ買ーッキテ 飲ミョーリマスバノー。

コリガ 一番 私ニャ ヨカゴタル・・・」。

 

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