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暮らしと方言の色揚げ内山一兄・郷田敏男 |
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これも昔の一つの渡世の途、
淡島神社にあやかったお札を売って回り糊口をしのいでいたのです。
初老夫婦の「淡島さん」が、
行き当たりの木賃宿に入り込んで一宿を乞う姿を見受けることもありました。
針供養は、「社日祭」から後に分派したものであるとも考えられます。
古記に「社日、針を停む」とありますから、
作の神・土の神である社日祭りに農作業をやめるのはもちろん、
針仕事もやめていたであろうと思われます。
後世、自然発生的に社日祭から、
婦女子主体の針供養が分かれたものと見てよいと思います。
「今ハ アータ 下着デン他所行キ着デン エッドリ見ドッデ、安カモンバ・・・。
ヌータッチャ 馬鹿ラシカモン」。
衣服モ既製品ずくめ使い捨ての御時勢、
こういった心情的・土俗的な習俗行事は消え去っていくのが自然の趨勢というところでしょうか。
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