暮らしと方言の色揚げ

内山一兄・郷田敏男

 
 
 
 
 
 
 

水天宮さん2


 「ヨドン時ャ ヨー 祭文語ンノ キョーラシタガナヤ」

「ソレニ 芝居テロン 活動モ 替ワリゴシ 舞台ンカカリョータタイ」

「確カ 札銭ガ 大人ノ一〇銭ニ 子供ハ五銭グレジャッツロナイ」。

活動写真の小屋では、観客の前の一隅に伴奏隊の四、五人と弁士が陣取っていました。

アーク灯で映す映画がはじまります。

弁士の巧みな声色で悲恋物語の台詞とバイオリンのメロデーで涙を絞らせ、

喜劇で爆笑を誘います。

剣劇がはじまると和洋合奏−いやー、おおげさかな、

三味線・太鼓・笛・ぼんてん(つづみ)・バイオリンなどで、

聞き覚えのある越後獅子の囃子で雰囲気を盛り上げたものです。

「今ン者ニ 話タッチャ 初手ンコツァ 分カランフーバイ。同士デ話サニャ・・・」。

洒脱の古老は、思い出話をすること自体に楽しみを求めているようにも思えるのです。

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