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暮らしと方言の色揚げ内山一兄・郷田敏男 |
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春菊もすでにとうが立ち、白い花が真っ盛りになります。
この花と真っ赤なつつじの花を竿の先に十字型に縛りつけて日の神に捧げるのです。
日の神すなわちお天道さんなのです。
子供のころ、物を仲間からもらったら、
「オ天道サン オ天道サンニ 見ーセタ」とかざして素早く唱えます。
もらっても、前言を翻して取り戻されることもあるわけです。
証としてまずお天道さんにかざして見せておけば、
絶対にもう取り戻せないと言う子供同士の掟がありました。
また「お天道さんに面向けされんごたるこた すんな」、
とも戒められたものです。
「お天道さん」は絶対の権威を意味し、
「天竺」は無限の象徴でもあったのです。
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