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暮らしと方言の色揚げ内山一兄・郷田敏男 |
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河童にまつわる言い伝えは数多いのです。
水泳のときは、河童除けの呪い言葉
「川ん殿さん 川ん殿さん ひーかさんな」と唱え、
唾を水面に吐いて飛び込むのです。
人間の唾は河童が大いに忌みきらうと言います。
また、河童は尻の穴から内臓を引き出して食べますが、
水天宮のお守りを竹管に入れて首から下げて泳げば寄り付かないとされていました。
河童は秋の彼岸のころ山に這い上がって寒い冬を過ごし、
また水温む春の彼岸のころ川へ下ってくるなど、
いろいろの俗信があるようです。
頭の上に小皿を載せたユーモラスな河童は、
また「どじれんこつ」(とんでもないこと)ばかりする奴なのです。
要するに、川祭りは水の恵みに感謝し、
水難逃れを祈る素朴な祭りなのです。
水神に捧げた残りの馳走で、講中一同和楽の宴を繰り広げ、
日なが一日話の広場での心の交流は「また良き哉」であったのです。
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