暮らしと方言の色揚げ

内山一兄・郷田敏男

 
 
 
 
 
 
 

お茶摘み


たいていの農家は畑の周りに茶を植えて、

年分の飲み茶ぐらいは自給していたものです。

現在では茶業も専業化されて、

自家製・釜製のお茶は影をひそめました。

「見てくれん悪か」「手のなか」「引き合わん」と言うのです。

釜製独特のあの香ばしいかおりや味はすでに消えたのです。


終わりに、お馴染みの茶所矢部の「茶山唄」で締めくくりましょう。


ヤーレ 茶山もどりはみな菅の笠 どれが姉やら妹やら

ヤーレ 茶摘みゃ仕舞ゆる茶日傭は帰る あとに残るはてぼ円座

ヤーレ 茶山旦那さんなガラガラ柿よ 見かけよけれど渋うござる

ヤーレ 八女茶いやじゃと言ったは昔 今じゃ宇治茶と肩並ぶ

ヤーレ 茶山茶どころ茶は縁どころ 娘やりたや婿ほしや

ヤーレ 主はほいろで焦れていよと わたしゃ茶園のうわの空

アー 揉ましゃれ 揉ましゃれ

 

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