暮らしと方言の色揚げ

内山一兄・郷田敏男

 
 
 
 
 
 
 

さなぼり2


「ソリガッサイ 米ンヨコレ取レテ 食ベキランナ ネマッテ 鮨ノゴツ

スユナルグレ 取ルルゴツ ゲナタイ」。

いやはや縁起をかついだものです。


鎮守の杜から「ドコドコ ドンドン」

「ドコドコ ドンドン」と、太鼓が響きます。

芝居小屋からは殺気立った台詞が聞こえてきます。

舞台ではシナリオどおり、窮地に立った老人の前に、

助け人・懲悪の偉丈夫が乗り込んで、

啖呵を切って大向こうを唸らせます。

「ヒヤヒヤー」と声援が飛び拍手が湧きます。

紙にひねった投げ花(舞台の役者に投げる祝儀)が降ります。

「ホンナコテナイヤー。マーダ コノゴロンゴツ 目ニスガットル」と、

古老は目をしばたたき語り続けるのです。

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