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暮らしと方言の色揚げ内山一兄・郷田敏男 |
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旧暦の六月晦日、二十九日の夜に夏越しの祭りが各地で行なわれていました。
夏は病気が流行りやすいものです。予防も平癒も神頼みの時代です。
夏の疫病・邪神の災いを払うために、その村の鎮守の杜の氏神で夏越しの祭りをするのです。
大きな茅の輪を社前にしつらえて、それを潜って疫病を逃れます。
「輪こぐりさん」とも呼んでいます。
茅の輪を茅輪あるいは菅貫とも言い、祭りの前日座元の人が神社総代の指図でこれを作ります。
周囲二丈六尺(約八メ−トル)、直径八尺(約二・五メ−トル)もありましょうか。
篠竹の輪を芯に、これを茅で巻いて三十三か所できびります。
はじめから藁や茅だけで仕上げる所もあり、さらにこれを紙や布で覆って仕上げるのもあります。
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