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暮らしと方言の色揚げ内山一兄・郷田敏男 |
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「七夕サンガ 近ウナッタケン 花火ナット 買ウテヤラジャコテ・・・」。
子供との対話が乏しいので、
父親は子供の喜びそうなことから切り出します。
「明日ガ ヨカ」
「ウント 買ックレンノ」
「オダン足取り花火バ・・・」
「私ャ 手牡丹ト幽霊花火・・・。足取り花火ハ エスカモン」
と、わいわいがやがや。
あとじめ(食事の後始末)をすまして母親が座に加わると、
牽牛・織女の物語は俄然情緒的になります。
昔も今も国で決められた祝祭日は、農村村の者にとっては何の係わり合いもありません。
勤め人のよけが、一日増えたにしか過ぎないのです。
ところが、民間の祭日は村人が主役なのです。
縁者、付き合いが協力します。
村を挙げて、とても楽しみともに和するのです。
七夕祭りなどむしろ子供が主役であると言ってもいいと思います。
「前ン日 短冊バサグル 笹バ切リ行タテナヤ・・・」
「朝暗カウチカラ 芋ン葉ノ露バ 採リ行タテ ソッデ 墨スッテ 七夕サンバ 書キョ−ッタタイ。」
今でも幼稚園や小学校の低学年では
ささやかな七夕の行事が続いていますが
子供はその由来を知らないのです。
子供いない家は、七夕は素通りします。
「今デン 時タマ 短冊ノ笹バ 木ニ結ットラス所ン アルケン ショ−ラス所ン アルフ−バイ」
「七夕サンクサ 子供ン喜ブケン 続ケテ ヨカリソ−ナモン ナヤ」。
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