暮らしと方言の色揚げ

内山一兄・郷田敏男

 
 
 
 
 
 
 

七夕さん1


七夕、そう、いんかい(牽牛星)さんと機織姫のロマン、

笹につるした五色の短冊と七夕菓子、供えた西瓜、

夜にあげる花火の楽しみが、まず浮かびます。


「コラコラ オ前ダン 早ヨ寝ニャン。朝起キリキルメガ・・・。

暗カウチ起キッテ 芋ン葉ン露テロン 田ン中ン縞田バ 採ッテコニャンゾ」。

子供たちはしぶりかぶり(しぶしぶ)座敷に張った蚊帳の裾をはぐって、

早く伏せている爺さん婆さんの寝茣蓙の横に転がり込みます。

蒸し暑さに寝付かれないでいる爺さんに、

さっき坪先で聞いた七夕さんの楽しみのまた話(また聞き話)をながながとして聞かせるのです。

眠気のついた爺さんは、「ウン、ウン。ソゲン ソゲン」と夢うつつ。

 

←前項  

八女方言歳時記へ戻る

 

 



ページの上段へ PAGE UP