暮らしと方言の色揚げ

内山一兄・郷田敏男

 
 
 
 
 
 
 

八朔さん1


そう、八朔の行事はまだ各地に残っています。

「田誉めの節句」とも呼びます。

八朔の日にお神酒をさげて自分の田圃に行き、

ちらほら出初めている走り穂を眺め

「ヨ−デキョ−ル」「ムゴデケタ」と、豊作ぶりを誉めて喜ぶのです。

そしてお神酒を振り撒き、自分も畦に腰をおろしてお神酒をいただいて帰ってきます。


また、この日にとくに関係のある家と家との間に、

品物の贈答をする仕来りが不随しています。

「たのみ」「たのも」を贈り、「たのみ」「たのも」を返すと言って、

相互に物品のやり取りをするのです。

これはお互いの信頼の証であり、

根付け(田植え)取り上げ(収穫)などの農繁期のひゆや手間替えの予約でもあったのです。

←前項  

八女方言歳時記へ戻る

 

次項→



ページの上段へ PAGE UP