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暮らしと方言の色揚げ内山一兄・郷田敏男 |
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「初メハ 夜店ハミンナ カ−バイトバカッジャッタガ
後ニャ 催合テ 裸電球バ 点クルゴツ ナッタナヤ」
「ソリャ グ−スト後ン事ジャロガ・・・」。
電球は便利ですが、よどにはやはりカ−バイトの灯のほうが雰囲気が出るようです。
朝暗いうちから打ち上げが弾けます。
八朔さんのよどの幕開けです。
都合よく夏休みの終わりにでもあればしめたもの、
心浮き浮きで足が地につかないのです。
何回も小遣い銭をせびって店のぞきに出かけます。
お賽銭を勘定(節約)してもっぱら店回りをします。
もらったわずか五銭、十銭の小遣い銭では、たいした物は買えません。
竹管に丸めたじゅる飴(水あめ)をなめ、
色付けのにっけしゅ(肉桂酒)をすすりながら、
品定めをして回るのです。
親にせびって買ってもらいたい品物を考えるのですが−
二等卒から大将まで駒が揃っている兵隊将棋がよかろうか、
パチパチ連続して紙玉が弾ける短銃にしようか−
あまり欲しい物が多くて工面がつかないのです。
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