暮らしと方言の色揚げ

内山一兄・郷田敏男

 
 
 
 
 
 
 

高良さん


高良山まで片道三里半、

チンチン電車を利用するとすれば福島まで出て乗り、

二軒茶屋からまた丘を越えて回り道になります。

自転車を使えない者は、藤山経由の近道を選んで山越えの徒歩の旅になります。

小さい子供にはあど(かかと)掛けをした草履をはかせたものです。


「高良サンナ 賑ヤヨッタナヤ」

「オダン コーマカ時 何遍デン 親爺サンニ ツンノーテ 参ッタコツノアルガ

水天宮テロン 八朔サンノヨドンゴツ 賑ヤヨッタバイ」

「アン鳥居カラ 池ニ太鼓橋ノ 架カットロガ・・・。

アツコンニキガ 一番店ン多カッタタイ」。


参道をはさんで、あまたの店が並んでいます。

飲食店では時季のかますの鮨を並べて客を呼びます。

上り坂になると参道の脇に戸板を並べた簡単な露店で、

季節の果物の栗・梨などを盛り上げて並べてあります。

今はほとんど見られない、ざくろ・さとのき(さとうきび)

を並べている店もよく見かけたものです。

 

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