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暮らしと方言の色揚げ内山一兄・郷田敏男 |
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非農家の婆さんたちまで呼び集めて、
月見と四方山話が弾むのです。
もっぱら農作業や孫守りの話などが長々と続きます。
「孫トドン遊デ ヨカローゴタルバッテ 虫ノ出テ メラーメラー泣エタリ
グゼッタリシテ ドマグルッ時ャ ヤオナカバノ 孫ン守リモ・・・」
「ソレチットン目バ離サレンシノヤ」。
決まって終幕には、「がた」がきた躰に
よく効く鍼やえーと・あんまなどの治療の話で結びとなるのです。
頃合いを見て御馳走開きになります。
ほどよく効いた塩気でとても豆が旨いのです。
カチカチ動く総入れ歯でも充分かめます。
待ち兼ねていた孫たちの手は素早いものです。
みるみるどんぶり一杯に殻が溜まります。
「畦豆チャ 小味ノアルモンノヤー」
「ソータノ。食イダスト 止メミチャワカラン。ドガシコデン イクル」
「ソリバッテ 豆ハソーニ腹ニ溜マローガノー。ヨンドコンノ 食ベ過ギッタイ」
「ソータイ。年寄ノ夜中ニコゲン食ブット 良オナカロー。ココンニキデ 止メトカジャコテ・・・」。
たらふく食べて婆さんたちも手を引っ込めます。
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