暮らしと方言の色揚げ

内山一兄・郷田敏男

 
 
 
 
 
 
 

こんのう1


一坪の籾の収量を計って、その量を競うのです。

赤旗の一等賞・黄色の二等などと、

田圃にその名誉の旗がひらめいていたものです。


「トコロガ 稲刈ッチャ 腰ノ痛エ仕事ジャッタナヤー」

「ソーソー。日ノイッチンチ シャゴデッサイ

畝ン長カ田ン中ダン 一列刈ロデッデン ヤオナカッタモンナイ」

「アリャ 一株デン頃合ンアッテ 揃タ穂ノ 一三、四本モアリャヨカモンナヤ。

根元ン太カツァ 遅レ穂バカッデ 青米ン多カッタタイ」。


鋸鎌で刈り倒した稲は、切り株に沿って並べ天日で乾かします。

日ざしが強いので、朝倒した稲は夕方にはからからに乾きます。


 秋の日はつるべ落とし、日が短くても三時にはお茶にします。

「オ茶飲ンバーイ」、やれやれ。

曲げずくめの躰を思い切って伸ばし、腰をトントンたたきながら寄り集まります。

田の畦に茣蓙を広げてふな焼(麦粉をこねて平鍋で焼いたもの)で

腹づくれ(腹仕度)をし、渋茶でのどを潤します。

 

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