暮らしと方言の色揚げ

内山一兄・郷田敏男

 
 
 
 
 
 
 

こんのう1


「モー シト踏ン張リ。ユールシ迄ニャ マー一枚 コン狭カツバ シマワカスゾ」。


腰を伸べひときせり(一服)すると、またすぐさま仕事に取りかかります。

「親爺サンナ イッチン ヤミューチャ 言ワッサンモン」と、

息子は小声でぐちり、しぶりかぶり(しぶしぶ)仕事をはじめるのです。


「ソリバッテサイ。オダン五、六年生ゴロハ コンノン時ャ ソーニ加勢ショーッタバイ」

「ソータイ。子供デン 加勢ハデクル。稲刈リャ 鋸鎌ジャンケ ケガモオロシューガ・・・」。


婆さんは孫を連れてひと足先に引き上げます。

夕食の準備が待っているのです。

“秋の夕焼け鎌研いで待て”の言葉どおり、明日も天気か夕日が赤い。

 

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