暮らしと方言の色揚げ

内山一兄・郷田敏男

 
 
 
 
 
 
 

こんのう2


「稲コギチャ グース初手ハ 千歯ジャッツローガノー」

「アノ 足踏ミノ 出テキタツァ 昭和ニ入ッテカラジャッタタイ」

「アレナッテカラ 捗リョッタモンノヤ。古蚊帳ドン張ッテ ギーッコンギーッコン イワセテノヤ」。


広い坪先にねっぶくをいっぱい広げて籾干しをします。

もっぱら留守番役の婆さんの仕事です。

ですが、これも俄雨などがあって思うとおりに捗らないのです。

主力は相変わらず田圃に出て藁こづみ・藁すぐり・畦豆ごんのうと寧日がないのです。


「豆ゴンノモ ヤオナカッタノヤー」

「ソーコタ。陽ノカンカン照ッ時、頬包ミドン シテッサイ アノ

ブリコ(脱粒するための農作業具)バ パターンパターン イワセテノヤ・・・」。


籾の乾燥が一段落すれば、唐箕を繰って調整、しいら(実のいらぬ米麦など)や軽い籾をより分けるのです。

 

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