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暮らしと方言の色揚げ内山一兄・郷田敏男 |
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稲ごんのがやっと終わってほっとする間もなく、
旧暦十月(神無月)の最初の亥の日に亥の日の祝いがやってきます。
「亥ノ日デ 聞イテ 思データ。ホンナコテ 亥の日デ ショーッタタイ」
「ソーソー。オ萩バ作ッタリ饅頭オメタリ シテノヤ」
「ソン頃ハ 子供ン ゾロゾロデノヤ 二ツ伏セグレデ 五・六人ダン 当タリ前ジャッタタノ」
「私モ 兄弟ン 九人オッタバノ。今ハ 二人シカ 残ットランバッテ ○○ノ妹ト・・・」。
猪は十二支の最後に出てくる動物ですこぶる多産、しかも雑食性で頑健です。
猪のように多産で家がますます発展し、頑健で無病息災で育つことを祈念する行事です。
餅を搗いたりぼた餅を作って神仏へ供え、家族揃って和楽の会食をします。
多産・粗食、そして頑健とんでもないことです。
少産を旨とし栄養たっぷり、過保護で育てる現在とはまるで正反対です。
お笑い種ではありますが、消え去った行事として記しておきます。
ちなみに、この日から炉や炬燵を入れてよいとされていました。
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