![]() |
暮らしと方言の色揚げ内山一兄・郷田敏男 |
|
![]() |
||
かつての農家は、兼業ならともかく、専業農家は家毎に牛か馬を飼っていました。
この家畜は農繁期の主役なのですが、日ごろは無為徒食です。
ですが、食べては垂れて、まやん肥(うまやごえ)と
言う一番大切な自給有機肥料をつくる役目をしているわけです。
牛馬小屋に敷き藁を入れ、これが糞尿にまみれて充分に踏み込まれると、
二本鍬(爪が二本ついている鍬)でかき出します。
霜の朝などこづみ(積み)上げたまやん肥からほけ(湯気)が立っています。
このまやん肥と前述の堀から上げた泥を交互に積み重ねて、土肥を作るのです。
土塀小屋の中に積み上げて、時たま切り返すと発酵して完熟します。
これが何よりの麦播きのときの覆土になるのです。
こうして、手間のかかる麦播きの準備が少しずつ進んでいきます。
←前項 |
|