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暮らしと方言の色揚げ内山一兄・郷田敏男 |
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馬にも受難の日がありました。
年に一回、○○の広場で駄馬のきん抜き(去勢すること)があっていました。
狂ったような馬の四肢を棒杭に縛りつけ、
獣医さんが素早くメスで切り裂き、手を真っ赤にして去勢をするのです。
痛いのでしょう、あちこちで馬のいななきが聞こえていたのを思い出します。
子供たちは近寄ると叱られるので、遠くから飽かずに眺めていたものです。
「日本モ 戦争ニ負クット 男ハミンナ アゲン キンバ抜カルルゲナ。エスカネヤー」と、
きん玉の縮みあがるような話をしておりました。
古老は昔からの農作業の移り変わりに詳しく、
汗みどろになって体験しているだけに、
話が微り入り細をうがって長々と継くのです。
「今ハ 牛馬ダン テンデ 見ランナヤ」
「自分カテ 飼ウテミラニャ ムゾゲモ ツカンバイ」「ソーソー」。
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