暮らしと方言の色揚げ

内山一兄・郷田敏男

 
 
 
 
 
 
 


景気がついたところで、受け方に連絡をとります。

「受け入れよし」で、道行きに移るのです。

美しく飾り付けをした神具入れの箱や大太鼓をいない(担い)、

三味線太鼓で仮装行列が繰り出します。


「エークロッシモテ ヨゴヨゴシテ 行クモンバ 隣ノ組サンデン

エーサッサ カカリョーッタタイ」。


やっとのことで受け方の前に着きます。

ふらつきながらも形だけは威儀を正して、

「長持唄」を流して受け渡しを終わるのです。

ここでも、また慰労に冷酒を振る舞われます。


引き返してくると、後賑やかし・

おけすすぎ(宴会等の終了後、主催関係者で残りものの肴で催す飲食)を

兼ねて打ち上げと相成るのです。

いやはや、底抜けの乱痴気騒ぎなのです。

日ごろは始末勘定の耐乏生活でも、時たまこうした氏子集団の散財・悦楽の座が、

裏返すと心の疎通・相互信頼の証であったのかも知れません。

←前項  

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