暮らしと方言の色揚げ

内山一兄・郷田敏男

 
 
 
 
 
 
 

長寿の祝い


「今ン賀イチャ ミンナ 若カナヤ。シャンシャンシトラス」

「ソ−ソ−。昔ャ 高良山ノ石段バ 杖ツィ−テ 登リキランゴタル者ノ アッタガナヤ・・・」。

神社でお祓いを受け、家に帰って内祝いをします。

赤飯を炊き、鯛の一献据わりやなますなどを据え祝賀を張ったものです。


七十歳の古希は、中国の詩人杜甫の詩「人生七十古来稀」の句に由来しています。

文字どこり七十歳を越す人は稀だったのです。


七十七歳の喜寿、八十八の米寿はさらに減ります。

この祝いには紅白の餅を搗き、

「寿き」の字を入れて身内や近隣に配って喜びを頒かち合います。

祝宴の記念には縁起をかついで、男の場合には扇子・風呂敷などを、

女の折には鯨尺の物差しを贈りました。

いくら平均寿命が長くなったとは言え、

幾多の苦難を乗り越えてきた長寿の祝いは、

今でもめでたい限りです。

心をこめて拍手を送りましょう。

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