暮らしと方言の色揚げ

内山一兄・郷田敏男

 
 
 
 
 
 
 

盂蘭盆2


盆の供養を施餓鬼とも言います。一様に小皿に載せて餓鬼に供えるのです。

無縁の亡者あるいは六道でも餓鬼道に落ちて苦しんでいる亡者にまで、

食べ物を恵むと言う慈悲の心情なのです。


「誰デン 余り物ナ 食ベマッセンモンバ 温メヌクメシテ

何日デンカカッテ 私ガ食ベマスタノ。勿体ナカケンデノヤ」

「ソ−ソ−。折角 手バ入レタツァ メンメンダン ホシテハキラン」。


後生願いに活きる婆さんたちは、

合理的な近代気質の若い者との違和感にぐちをこぼすこと頻りです。成る程ね・・・。


「メンメンドンモ 精霊サンニナッタ 手間イランバッテ 盆ニアルキ来テ(里帰り)

ナ−ニン出シテ呉レンナ、徒然ナカバイ(しんみりと寂しい)」

「ソ−ドコジャナカ」と、来世の話になるわけです。

折から開け放した居間から連続ドラマのテ−マソングが流れ出し、

天下泰平涼しいおとし(東風)が吹いてきます。

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