暮らしと方言の色揚げ

内山一兄・郷田敏男

 
 
 
 
 
 
 

八朔さん2


ここが潮時とみて、昔の華やかな八朔さんのよどの話に話題を切り替えます。


「ソンナ ココンニキデ 初手ン 八朔サンノヨドン 賑ンコツナット 話シテミマッシュカ」。


「昔ノ八朔サンノ話ナラ バサロアル」

「ソ−ソ−。毎年 高舞台ン掛カッテ ド−グラン(サ−カス) アリョ−ッタナヤ」

「ド−グラチュ−ト シャッチ ジャンガプップデ(楽隊・ジンタ) ソ−ニャ 賑ヨッタガ・・・」

「バッテ ド−グラチュ−タッチャ 今ン者ニャ テンデ 分カルメナイ」

「何ノ 分カロ−カイ。メンメンドンデン 今ハ使ワンモンバ・・・」。

昔話になると俄然活気を帯びるのです。


近郷きっての盛大なよどなのです。

打ち上げがバンバン揚がります。

どうぐらのジンタが囃し立てます。

遠く近くから人と自転車の列が往還に続いたものです。

あたかもジンタの『美しき天然』のメロディ−を思い出したかのように、

古老は目を細めて語り続けます。

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